2016年12月19日月曜日

神戸の郊外でおきた、ある「いじめ」事件 2

  2. L君との一年半…

事件の詳細はこちら

 「因縁」の大義名分に使われた、L君と、私の息子は幼稚園の年長組を一緒のクラスですごした仲です。子供どうしまだ小さく、同じマンションに住んでいることもあり、だいたい仲良しでしたし、母子家庭の我が家を気遣い、よく、L君のお父様が、うちの子も連れて三人で「男同士」温泉に連れて行って下さるなど、大きな意味で、良好と言えました。しかし、子供二人をよく見ると、色々ありました。

1)友達と二人で、息子が持っていたボールを奪い、車道の方向に投げ「あれ取ってきて死んで」と言い、二人がかりで肩を押し倒し息子は尻もちをつきました。(この時、息子は最初で最後の「仕返し」をしました。L君の脚を蹴ったのです)」

2)息子を無視する様に、他の子供達に指示。(幼稚園から報告)

3)息子だけを遊びの仲間外れに(私の目の前で)

4)通学路を外れるように指示。断った息子のプールカバンを蹴る。

5)雑草を手に持てだの、雑草を食べろだの指示。従わなければ「僕の家で遊ばせてやらないからな。」と言う。

6)同じマンションの子が、息子と遊ぼうとすると、「そいつと(じっさいには名前を呼びました)遊ぶなら、俺んちではもう絶対遊ばせてやらないからな。」と言う。

7)息子に「耳に雑草入れたら気持ちいいから入れて」と提案。息子は、好奇心もあって、言われた通り実行。激痛を耳に感じ、号泣。抜けなくなっていたので耳鼻科に駆け込むはめに。


 息子が、なにかまっとうなことを言うと、なんでも3秒以内に説明しなくてはいけなかったり。息子は、心の何処かで、L君に対して恐怖心を感じていました。それでも、兄弟がいなくて、母子家庭の息子は、仲間外れなどを恐れてなのか「L君も大切なお友達なんだ」と言いました。

 これ以外にも、暴言、蹴ったり叩いたりなどは当たり前。

 親同士の関係はまだ良好だったので、耳に雑草以外の事は、そのたびに彼らは当家まで謝りに来ていました。つまり、全部事実と認めていたのです。私は必ず、さいしょに「うちの子はこう言ってるんだけど、L君はなんていってる?うちの子が何かしたんだったら、聞かせてね。」という聞き方をしていました。

 毎回、彼は自分のした事を話す前に、うちの子がした事を訴えてきました。例えば、一番さいしょに挙げた、『ボールを車道に投げ、二人がかりで息子の肩を押し倒した』件については、「蹴られた」ことを真っ先に言い、『通学路を外れるよう強要した』ときも、息子にツバを吐かれたと訴えました。実際には、走って逃げた息子が走り終わって、ふうっと息をついたときに思わず唾が飛び、そこにたまたまL君がいて「きっしょ!(気持ち悪い)」と言われたので、息子は「ごめんね、わざとじゃないんだよ。」とその場で謝りました。

 この様に、毎回L君の母親が事情をたずねると、真っ先には言わないのですが、息子も私も立ち会っている場では、全て事実と認めました。あるいは、母親が「あちらは、こういうふうにされたって、言ってるよ」と息子の証言を突きつけ、問い詰めると、泣きじゃくりながら、認めるのでした。


 「耳に雑草」について、私がL君の母親とコンタクトを取らなかったのは、ひとえに、結局、好奇心から息子が自らの意思で進んで雑草を耳に突っ込んでしまった事なので、その責任をL君に転嫁するのは、おかしいと思ったからです。

 しかし、自分がしろと言ったことを実践した友達が、痛みで号泣して、泣き声を聞きつけた祖母に「すぐ耳鼻科いかないと!」と手を引かれ帰っているのに、彼はいったい、どんな気持ちでその情景を見ていたのだろうと、心配はしていました。この事について、L君の母親からは何も言ってきませんでした。そもそも、雑草を手に持て、食べろ、耳につっこめ、というどの場合においても、彼自身はそのどれも行わず横で見ているだけでした。

 私の中で決定的だったのは、L君の父親が、もう一人のお友達とうちの息子を入れた、男の子3人を温泉につれていってくれたときのことです。

 水風呂で、L君ともう一人の男の子が、二人で息子の頭を押さえつけ、水中に沈め、しばらく押さえつけたのです。


 ちなみに、この時L君といっしょに頭を押さえつけたのは、以前L君と共に息子のボールを取り上げ、肩を押し倒した子と同一人物です。しかしながら、私は、この『水に沈められた』事件を長い事放置してしまいました。

 一番大きな理由としては、笑って許せることではないので、コミュニティのバランスを崩してしまう、と考えたのと、L君の母親が当時妊娠中で、安定期に入ったか、入ってないかで、煩わせたくなかったからです。

 そして、何より「L君のパパが、叱って下さった。」と息子が言っていたからです。しかし、この時「叱って下さった。」のは、ウチの息子自身だったのです。
 私は、さいしょに報告された事があまりに衝撃的だったために、そこに全意識がいっていました。しかし、その間に、息子は、回転寿司屋でベンチにもう一人のお友達と座っていて、L君が一緒に座ろうとしたら、もう一人のお友達が「逃げろ!」と言ったので、おもしろがってしまい、二三回席を立ったりしていたところ、L君が泣いて、L君の父親が「仲間外れはいけない」と息子ともう一人の子を叱ってくれたことを、報告していました。私もその事は覚えていたのですが、そのエピソード報告は気に止めず、あくまでも水に沈められた事件を念頭において「L君のパパは知ってるの?」と息子にたずねたら、息子は「L君のパパは叱ってくださって、ごめんねって言ったよ。」と返答したのです。

 普段から「ほう・れん・そう」は正確に!としつけられている息子は、報告事項を全部言い切ることを優先させたのですが、私は、自分の問への答えだと思い込み、「L君のパパが叱ってくださったなら、もうそれで良い。結局無事に帰ってきているし、私がしゃしゃり出る必要はない。」と考えてしまったのです。


 7ヶ月もの間放置していたのですが、ずっと、私の中で引っかかっていました。そこで産後、L君の母親がしっかり回復したと確信できる事がありましたので、思い切って聞いてみることにしました。

 そこで初めて、水に沈められた事件をL君の父親は認知していなかった事をしりました。私は息子にたずねると、息子はもう一度当時の事を報告し「叱ってくれたのは、僕のことなんだよ。あの時もそう言ったよ」と言いました。

 一方母親からたずねられたL君は、「覚えてない」と言ったそうです。

 「まかり通ってしまったのだ」

 L君の中であの時した事が、倫理フィルターに通されず、まかり通った事に、私は、大きなショックを受けました。

 もう限界だと思いました。
 私も無傷ではすまないかもしれない。でも、たとえ嫌われ者になっても、息子と息子の友達を守らないといけない・・・。

 息子とL君との間に距離を置こうと決心しました。


<いじめ事件INDEX>
1. 事件

2. L君との一年半…

3. 登校グループ

4. 疑惑と学校の対応

5. 警察での聴取と真相

6. 母親たちの反応

7. 私の考え



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