2017年5月31日水曜日

オニゴは亮抜きで

登場人物
前のエピソード

幼稚園からの通達で、永君と倫太郎君の二人が
他の子を扇動してまで、亮を仲間外れにする傾向がある
ということは、知っていました。

しかし、ある時私の目の前で起こるのです・・・

マジョリティはブイブイ言う
2016年春の小学校入学を控え
2016年1月ごろ身体検査がありました。

息子は幼稚園からかえって私服に着替えてから、小学校に行きました。
でも、うちの幼稚園から私服で行ったのは、息子だったのです。

到着すると、幼稚園の制服を着た永君と倫太郎君が
身体検査会場の前にある、中庭のベンチに立って
「おーい!〇〇幼稚園のやつ集まれ!オニゴするぞ」
と叫んでいました。
まるで犬の「マーキング」行為のように
自分の領域が優位であることを、なんとかして誇示し
自分の居場所を確保しようとしているように見えました。

息子は「僕も行ってくる」
だって、僕もその幼稚園だから・・・
息子は、意気揚々と永君のところに行き
そして
泣きながら帰ってきました。

お前は入れてやらない
「お前は制服を着ていないから、幼稚園の仲間には入れてやらない。」と
言われたのです。
みると、角田恵美さんと、永君のお母さんは、
仲良さそうにおしゃべりに夢中です。

私は亮の手を引いて、怒った顔をして永君と倫太郎君に話しかけました。
「永君、倫太郎君、なんで亮はオニゴ入れてもらえへんの?」
永君は「え?いいよ、来ても。おいで」
なにが、「おいで」やねん!
これは、私の心の声です。

私は「でもさっきは、入れてやらないって言った?」とたずねました。
倫太郎君はうなづきました。
私は「もういい。入れてもらわなくてもいい。でもあんまり、調子乗ったらあかんよ。」
・・・言わずにはいられませんでした。

この時、母親たちに直談判しなかったことを、今でも後悔しています。
こんな中、ついに、息子は、この二人によって、
水風呂に沈められるのです。


次のエピソード

2017年5月30日火曜日

フィジカル・プロテスト

登場人物
前のエピソード

のっぴきならない事件ではありましたが、
私としては、そうやって息子や
ちょっと神経質で口うるさい私がコミュニティにいることで
コミュニティの倫理の質が高まったらいいや、と思い
その後も、角田さんだけでなく、斎藤永君も家に迎えて遊ばせていました。
むしろ、積極的に遊ぶように(今思えば、これが一番の間違えであり、私の傲慢のなせる業だったのです)亮にも促しました。
子供のすることですし、一度や二度の過ちで、コミュニティーとの付き合いを全否定するのは、まだ早いと考えたのです。
私は子供が大好きなので、永君や倫太郎君のことも、可愛く思っていました。
私の怒りの矛先は、むしろ、彼らの母親でだったのですが、そこは、クリスチャンの弱みと言いましょうか・・・「神が赦されているのだから、人は裁いてはいけない」と思ったのです。チャンスは与えられるべきだし、私も乗り越えるべき試練だと思ったのです。

孤立させるのを恐れたのは・・・
ここで申し上げておきたいのですが、倫太郎君の孤立を誰よりも恐れたのは、ほかでもない私です。
亮は、番組を見ていただいてもわかりますが、語彙も豊富で、社交的です。
新築のパームシティの子供たちが小学校にあがったら、パームシティで友達コミュニティの主流を得るのは、亮であるのは一目瞭然でした。
言葉数が少なく、自分の気持ちをうまく言葉で表現できない倫太郎君は、きっとマンションの中で浮いてしまうのでは?と考えました。

ジャイアン化
体の大きい子供たちというのは、本能的に自分が「カワイイ」と、もてはやされる回数が少ないと感じているものです。だから、二つの傾向に分かれると思うのです。やたら、大人に自分が「まだ小さい子供なの~」とアピールするか、自分が子供社会で主導権を握るべく暗躍する・・つまりジャイアン化するか・・・
永君も倫太郎君も、幼稚園で一番背が高い子と、二番目に背が高い子です。
永君は、ジャニーズ事務所が注目するのでは?と思うほど、美男子です。亮が転園してくるまでは、かけっこも早く、振り返って笑えば、そこに女子が群がっていました。サッカーだって一番上手です。
亮は、顔かたちは、残念な感じですし、背も今時の水準では「中の上」です。ただ・・・、まず、幼稚園がキリスト教の幼稚園で、本物のクリスチャンたる亮。必然的に先生は無意識に息子を擁護するでしょうし、少なくとも、子供の目にはそう映ることが多いと思います。そして、息子は体操を習っているので、幼稚園では「側転の亮くん」と呼ばれるほど・・・。体育重視のこの幼稚園では、これも先生が息子をほめる機会が増えてしまうでしょう。走りも早いです。さらに、今のご時世、英語が話せる子供は、多少顔かたちが悪くても、振り返って笑えば、女子が後をついてきている可能性は高いです。
永君が息子を嫌ったのは、おそらくこれが原因です。

だから、私としては、永君をないがしろにはできなかったのです。
なんとか、この三人が友情をはぐくんで「ワンダフル・スリー」じゃないですけど
地域の三アイドルみたいになったらいいんじゃないかな~と思ったのです。

いや・・・甘かったです。

とにかく、二人のジャイアンと、のび太な亮・・・そして
私がドラえもん。
こういう構図が少しずつ出来上がってしまっていました。
いや、亮が本当に「のび太」だったら・・・まだ救いがあったのかもしれません。

かかとおとし事件
ある日、倫太郎君と永君がうちに遊びに来ました。
永君は、一人で亮の部屋でおもちゃで遊びはじめ、
亮と倫太郎君は、ゲームで遊び始めました。
亮がゲームに勝って、倫太郎君は機嫌が悪くなり、
出ていこうと思ったのか、永君のところに行こうと思ったのか、
とにかく、逆に亮たちがいる部屋に行こうと思った永君と
倫太郎君が廊下ですれ違いました。
私も倫太郎君の機嫌が悪かったので気になって、倫太郎君の後を追ったのですが
廊下で、すれ違いざまに、永君のみぞおちを、踵で蹴り落したのです。
私はすぐに、倫太郎君を叱りました。
我が家の屋根の下で、そのようなこと、絶対許しません。
私は、床に膝をついて、倫太郎君の手を握り
目を見て厳しく言いました。
「倫太郎君、おなかには大切なものがいっぱい入ってるの」
倫太郎君は言いました
「大切なものって?」
私「胃とかがね・・・」
倫太郎君「"い"ってなにぃ?」
私はこういうことでは負けません。
とにかく!
自分が気に入らないことがあるからって、人に暴力を奮うなどもってのほか!
と強く言い聞かせました。
すると、倫太郎君は、壁にかかっている時計を指さしました。
もう帰る時間だから帰らせろ、と無言で訴えてきたのです。
私は「何を言ってるねん!自分のしたこと考えや」と言いました。
そしたら、なんと、倫太郎君は、床に座っていた私の脚を蹴ったのです。

フィジカル・プロテスト
倫太郎君は口数が少ないのですが、口が達者ではあるというのは
わかっていただけると思います。
そして勝てないとわかると、フィジカルな形で抗議してくるのです。
子供が何かを恐れ(あるいは、畏れ)服従する気持ちを持つことは
とても大切なことです。
子供に、根拠のない「万能感」を植え付けることと
子供の権利を尊重することは、異質なことです。
最近の子供は、この根拠のない「万能感」に支配されています。
大人は尊敬するに値せず
自分たちのために存在する。
何をしても、言っても許される。
大人に逆らい、礼儀を尽くさない子供が
「媚びない子」「かっこいい子」と評価される風潮の危険性を
私は危惧しています。
「クレヨンしんちゃん」の影響でしょうか・・・
イジメの加害者は、たいていどちらかと言うと「ヒーロー」として
幼少期を過ごします。
いいかげん、社会は気づかなくてはいけないのです。

顔が笑ってるねんって!
倫太郎君を諭していたちょうどその時、角田恵美さん(倫太郎君のお母さん)が迎えに来ました。
私は事情を説明しました。
恵美さんは、やはり満面の笑みで「ごめ~ん、そうなん?倫太郎わかったん?あかんで。」と言いました。
顔が笑ってしまう人って・・・損だなと思いました。

申し訳なさそうな顔が、反省を生むこともある
一年生の終わりに・・・倫太郎君ではないのですが
亮が別のお友達に「好きな女の子の名前をばらされたくなかったら、金を持ってこい」と言われたことがあります。その子のお母さんは謝りに来てくれたのですが、やはり、満面の笑みで「んもう・・・っすいません!うちの子がバカなこと言って・・・」と言いながら近づいてきました。

世のお母さんたち、
嘘でも良いので、申し訳なさそうな顔をつくれるようにしてください。
それで丸く収まることもたくさんあるのです。
儀礼が礼儀を果たすこともあるのです。
ひっくり返るだけなのですから。

パスカルは言いました。(パスカルの原理の、ブレーズ・パスカルは哲学者で、神学者でもあります。)「神を見たことがないから、祈っても仕方がないという人には、祈りの形を教え、とにかく祈らせなさい。おのずと神の存在を見るだろうから」
つまり、入れ物が内容を発生させることもある、ということです。
申し訳なさそうな顔や、態度をとることで、少なくとも
相手の寛容を引き出すタイミングが早まると思います。
そうやって、摩擦を少なくしておけば
コミュニティという「体」が「かゆく」なることもなくなり
かきむしらなくてもよくなります。
つまり、被害が小さくなるのです。

そうするうちに、本当に、何が問題なのかを直視する余裕が生まれるのです。


2017年5月29日月曜日

「大嫌い!」「死んできて」

登場人物はこちら
前のエピソードはこちら

家に時々倫太郎君が遊びに来るようになりました。
しかし、ゲームに負けると
「今のわざとやねん。わざと負けったってん。」と言うのは
むしろカワイイのですが、息子が負けると
「くやしい?くやしいやろ?なぁ、くやしい?」と
繰り返し聞き、「いや、別に?」と答えると
「なんやねんそれ、悔しいって言えや。」と言い、
ついには息子が悔しいというまで、合計11回言っていました。
あまりのくどさに、私も口をはさみ
「負けたって悔しくはないと思うよ。楽しくしたらいいやん。」
といいました。

週に一度、息子はサッカーを習い始めました。
サッカー教室となる公園は家のベランダからよく見えます。
倫太郎君は、サッカーの天才児で、
もっと小さいときから習っているそうです。
亮とは、レベルが違うので、一緒には習っていませんでした。
しかし、毎週水曜日、息子がサッカーを習っているのを
よく見に行っていて、あとから「アドバイス」をいろいろしてくれていたのです。
息子は、もちろん、アドバイスとは受け取っておらず
「ケチをつけられる」と言うのですが
私が「倫太郎君はとてもサッカーが上手だから、親切で言ってるんだよ。」と
息子に刷り込んでいたのです。
やがて、倫太郎君は幼稚園で仲良くしている、永君という男の子と二人で、いっしょに亮のサッカーを見守るようになりました。たいてい、そのまま、公園でサッカー教室のあと、三人で遊ぶという段取りです。
ところが、あるひ、ベランダから見下ろすと、リョウが泣きながら自分のサッカーボールをもって家に向かって歩いているのがわかりました。
その後ろを、100均でよくある、プロペラのおもちゃを手にもって、倫太郎君と永君が、何か叫びながら歩いています。

一人で帰ってきた亮に事情を聞きました。
この話はあとで、永君の母親、倫太郎君の母親たる角田恵美さんをふくめた母親の皆さん立ち合いのもと本人たちにこのようであったと確認をとりました。
幼稚園の先生からもこのようであったと確認されています。
それをそのまま、書きます。

プロペラのおもちゃを永君が持ってきていたので、亮はそれで遊びたかったのです。
亮がサッカーをしている傍らで、倫太郎君と永君はそのプロペラで遊んでいたのですが、終わったら貸してもらって、自分もしたいと亮は思ったのだそうです。
サッカーのレッスンのあと、貸してと言ったのですが、
永君と倫太郎君はサッカーがしたい、と言い出しました。
亮はつい今まで、一時間、たいして好きでもないサッカー(サッカー教室ですから当たり前ですが)をしていたので、「僕はサッカーそんなに好きじゃないんだ」と言うと、「じゃあなんでサッカーボール持ってるねん。」と永君が言い、息子のサッカーボールを取り上げ、車道の方へ投げて「取りに行って車にひかれて死んで」と言いました。
ボールは車道には至らず、近くにポトリと落ちました。
「やめて!」と息子が叫んで取りに行こうとすると、倫太郎君と永君が二人で亮の肩を押し、息子は倫太郎君の脚を蹴りました。
とにかく、亮は怒り心頭に発する中、泣きながらボールを拾い帰ってきました。

この話を聞いている途中で、(私も心中穏やかではありません)
角田さんがうちに来ました。
ドアを開けると「ごめんね~」と言いながら
顔が満面笑顔の角田恵美さんがいます。
私はその場で、そのにやけた顔をパンチしたい衝動に駆られましたが、冷静にドアをあけると、恵美さんの方から「なんかさぁ、倫太郎が亮君とケンカになったって言うねんけど、さっぱり言ってることがわからなくて、亮君に脚蹴られたって言うねん」・・・
つまり、うちに文句を言いに来たのです。
それならば、この真摯とは言い難い態度もわかります。
私は息子から聞いた話を伝え、倫太郎君の目の前で、息子を叱りました。
どんな理由があったにせよ、仕返しはいけないと・・・。
「なんや、そうやったんや~ごめんね、亮君・・・。」恵美さんは言いました。

私は週に一回、家から一時間ほど離れたところに、出向して
仕事をしています。

その曜日は、母が泊りがけで息子の面倒を見ます。
このサッカーボール事件の翌日も、その曜日に当たりました。
夜遅く、家に帰ると、母が怒っていました。
幼稚園の預かり保育に母が迎えに行って、帰ろうとすると、家の前の公園で、倫太郎君と永君が遊んでいたそうです、息子が、母に手を引かれながら「倫太郎君、永君!あとでいっしょにあそぼーーー!」と叫ぶと、永君が大声で「亮大嫌いだから、絶対に遊ばない!」と叫び、倫太郎君がその横で笑っていたそうです。
母が、自分の手の中にある亮の小さな手が震えたのを感じ、不憫に思い、息子に「放っておきなさい。遊ばなくていい。」と言ったそうです。
倫太郎君ってどこの、どういう人なの?と、母は今にも怒鳴り込まんほどの勢いでした。
私も、もう黙ってはいられず、永君のお母様のコンタクトをもっていなかったので、幼稚園に手紙を書きました。もちろん、過日のサッカーボールの事件の詳細も書きました。そして、恵美さんにメールをしました。
「昨日のこともあるし、きっとうちの亮が、そんなことを言われるような何かをしたんだと思います。しっかり教えたいので、亮がいったい何をしたのか、倫太郎君に聞いてもらえる?」・・・と
永君の母親が翌日電話してきました。「え?永君がですか?そんなこと言ったんですか?」と自分の息子のことを「君」付けで呼び続け、会話が進みました。「謝りに行きたいんで、家どこですか?」このセリフは一音一句たがわず、電話で述べられました。
その電話を置いたとき、ちょうど幼稚園から、連絡が来ました。
「実は、幼稚園も気になっていたんです。気づいたのは、この一週間ほどのことなんですが、亮君が近づくと、永君と倫太郎君が周りのお友達に『亮が来たで、無視しろ。無視せんかったら友達やめるぞ』といったり、亮君だけ意図的に鬼ごっこに入れなかったりするので注意したんです。それで、お母さまからうかがった、サッカーボールのことも、そんなことあったの?亮君を二人で肩押して倒したりしたの?って聞いたら、その通りだと認めました。」と幼稚園教諭も言いました。
永君の母親が謝りに来た時、角田恵美さんも同席しました。
そこで過日の「サッカーボールとってきて死んで」事件も話をしました。
どうして、亮を「大嫌い」と言ったり、ボールを取り上げたり、死んでと言ったりするんだ?亮が何かしたのか?と尋ねました。すると永君は「うんち、って言ったから」と言いました。その横で亮が「言ってない」と言いました。永君はうつむいて、私から目をそらしました。
嘘です。でも私は亮を黙らせ、永君に言いました
「亮は永君や倫太郎君に、『ウンチ』って言ったの?」
二人は同時に首を振りました。
「じゃあ、そのために亮を二人で押したり、『大嫌い』って言うのはおかしくない?」
二人はうなずきました。
「嫌いって言うのは仕方ない。でも、みんなまだ年長さんで、小さいから、嫌いと決める前に、好きなところを探してもらえないかな?それで、みんなが3年生とか4年生になったとき、それでも『嫌い』と思ったら、もうお友達してくれなくていい。遠くに離れててくれたらいいから。」と私は言いました。
そして・・・
「亮はおばちゃんにとって、命よりも大切な子供やねん。その子に死んで来いなんて、言うのは許さない。この子が死んだら、おばちゃんも死ぬし、命を懸けて守る。貴方達のお母さんも、貴方達のことを同じように思ってらっしゃるのよ。」と言いました。
その横で、永君のお母さんは涙を流しはじめ
倫太郎君のお母さんは、「亮君偉いな。そんなしっかりいろいろ報告できるんやね。」

・・・・
正直
馬鹿か?お前は????
と思いました。
この言葉の裏には、私がすべてを決めつけていると思っているという本音が潜んでいます。今目の前で、子供たちも認め、幼稚園でも認めているのに、まだ、そうやって逃げおうそうとしているのです。

こういう親がいるから、イジメはなくならないのです。
自分たちの子供をいったい、どんな「淵」に追いやっているのか
信じてやる矛先を間違っていることにも気づかず
子供の無邪気な過ちを、つついている私にこそ
「悪気」があると批難しているのです。

子供たちの二三の言葉から、真実を見抜いてやる理性と知性こそ
親に必要な素養です。

2017年5月24日水曜日

二歩下がって、吠える その1

亮と私が、去年の10月25日以降、
経験しているモラル・ハザードの背景をお話しするため
先日から、100歩後ろに戻って書き始めています。
先日、このマンションへの入居と倫太郎君との出会いを書いて
三歩、進んだ感じです。

ここで、二歩下がって、ちょっと根本的なことを
述べたいと思います。

このブログの購読者が一万人を超しました。
その一万人の方が、
「私の周りでも、よくある!」と感じられたのか
「棟方さんの住んでるところって、ちょっと特殊じゃない?」と
感じられたのか・・・
私にはわかりません。
気づかないだけなのか、本当に棟方の住んでいるこのパームシティが特殊なのか・・・

・・・私は前者だと思って書き続けます。

しかし、決定的に言えることは
息子のような子供が「少数派」と言うことです。
私たち親子のような親子が「少数派」だということが
すべての問題の根本なんです。

礼儀というのは、胎教から仕込むもので
「理」をかぎ分ける感覚を敏感に働かせるように
訓練することから、始まります。
この能力は
誰もが本能の中に持っている、先天的能力です。

しかし、その能力の敏感さに差異があるのは当然で
息子が、特に敏感なのだということも、わかります。
ただ、自分たちが「多数派」だからといって、ふんぞり返り
「少数派」を傷つけるの辞めてもらえませんか?

・・・・これが私の言いたいことなのです。

人を傷つける傾向が「子供なんだから、しかたない」と肯定されて、
しかも、「多数派」だなんて、恐ろしくないですか?
だから、イジメはなくならないんです。
傷ついた方が「神経質なんだ。細かいんだ」と批判され、
社会の隅っこに追いやられる・・・

手をふまれ、蹴られ、水に沈められ、顔をなぐられた息子と、その親である私には権利があります。
自分の子供をきちんと教育しきれていない親に向かって
「ちゃんと、教育してくださいね!」
「ちゃんと、子供の悪意と向き合って、嘘を見抜いてあげてくださいね。」と
改善を要求する権利があるんです。

子供は平気でうそをつきます。
でも、親は、親である以上、それを見抜く能力が要求されているということに
すべての親が気づかなくてはいけないのです。
見抜けず、誰かを傷つけたなら、必死で責任を取る覚悟が、親には必要なんです。

イジメはなくなりません。
それが人の「性(さが)」です。生の心がイジメなどの暴力を引き起こします。
亮だって、その「生の心」から解放された「ブッダ」では、決してありません。
しかし、私は断言しますが、私は亮の行いのすべてに対して、親として
命をかけて責任を負います。

イジメが起きても、それに対して当事者以外のコミュニティメンバーが
どう対処するかによって、イジメのダメージが変わるのです。
イジメは「社会」という「体」に発症する「病」です。
問題は、「体」に「思いやり」という「抗体」が備わっているか・・・
「抗体」を養うために、人は普段から「質の良い食品」を摂取します。
この「質の良い食品」とは、「道徳の知識」です。
歴史は「食品」から「有効栄養素」を手軽にとれるよう「サプリメント」を生み出しています。人は、それでも、「有効栄養素」を摂ろうとはせず、自分の「欲望」を満たすことを優先して「ジャンクフード」を食べるのです。
健全な社会という「体」を「病」から救うためには、どうしたらいいか。
「抗体」が「自己生成」できないとき、どうしますか?
「ワクチン」をつくるでしょう。
私がこのブログを書くのは、この「ワクチン」をつくるため
病原体に犯された生体を取り出し、徹底的に病原体を分析し、培養するためなのです。


2017年5月23日火曜日

手を踏んづけて、よーいどん

{登場人物はこちら}

最近の新築マンションというのは
無機質な「住居」というコンテナーを売るというのではなく
そのなかで営まれる、ライフスタイルを売る・・・
という感覚らしいです。

ちまたでも話題の大手不動産会社のマンションブランド
「パームシティ」のオーナーたちは
そんなわけで、入居前に
5~6のグループに分けて、ホテルのバンケットに集まり
お茶を飲みながら、お互いに挨拶をします。

私、棟方玲宇はシングルマザーで、絵本作家。
当時息子はまだ年中でした。
私の関心ごとは、やはり息子と同年代のお子さんを持つ家庭が
何世帯あるか・・・

やはり、このパーティーで一人出会いました。
それが、別棟ですが、同じ8階に住む
小金大河君と、そのご家族でした。

ここでも気づくべきだったのです・・・

子供たちは、自然とホテル宴会場の端っこに集まり
一緒に遊びはじめ、大河君と亮も早速お互いを見つけて遊んでいたので、
私たち母親もお互いに挨拶しました。
まず、とにかく馴れ馴れしいお母さんでした。
「お母さん(私に対して)、ぜったいオモロイ。わかるわ。オモロイやろ。」
私は、おそらく・・・
オモロイという印象は与えない、と思うのですが、
出会って1分後にこのように言われました。
大河君は、と言えば・・、
一緒に遊んでいる息子へ、大きな声で
「~しろや!」「アホか~やろ」と叫んでいるな・・・と思いつつ
私はその時にも、これが日本の子供の「普通」なのかなと
ちょっとがっかりしたのを覚えています。
私たち親が帰る様子を見せたので、遊びを切り上げた亮の腕をつかみ
「いやだいやだ」とゴネはじめていました。
腕を放そうとしないので、息子は困惑してしまいました。
初対面で言葉が荒くなったり、高圧的になるのは、
体の小さな子供によくある傾向だと思います。
一種の防御反応・・・とでも言いましょうか。
ですから、この時は、気にしないように、息子にも教えました。
息子も普段、楽しければ、決して親がどうしようが、
素直にさっさと片づけるわけではないのですが、
この時から、自分とコミュニケーションの「タイプ」が違うことを
感じ取っていたのでしょう。
やっと帰るのか、とばかりに、大河君に「バイバイ」と言っていました。

とにかく、これが、パームシティの住民の中で出会った
最初の同学年男子だったのですが・・・
私も、できるだけ馴染んで生活していこう
学者風を吹かせるのはやめよう、と
決めていたので、調子を合わせることにしました。
今思えば、小金綾音(大河君の母親)さんも、
すこし固い雰囲気の私を
無理やり「親しみやすい」と信じ込もうとしていたのだと思います。
それが「オモロイ」という言葉に表れているのではないでしょうか。

私と亮は、新居から、2駅しか離れていないところから
引っ越しました。
新居最寄りの幼稚園のバスが出ている範囲だったので
予め、幼稚園は年中の10月に転入しておいたのです。
同じ幼稚園に通う子供のなかで、女子には何人か
パームシティに引っ越す子もいました。
ですから、すでにご近所に知り合いがたくさんいました。
お友達もすでに、たくさんいる、ということです。

一番最初のお友達となった「大河君」は今通っている保育園で
そのまま、卒園まで通うことにしているとのことで・・・
息子には、大河君にお友達をたくさん紹介してあげなきゃね、
と話していました。
入居したら会いましょう!
そう言って、小金家とは別れました。

私と亮が入居したのが、4月の初め・・・
年長さんとしての生活が始まっていました。
新居の目の前にある公園で遊んでいた亮を迎えに行くと
男の子と遊んでいました。
見ると、その子は、息子の手をふんづけていました。
「!」私はびっくりして、「リョリョ!」と声をかけると
その子は、慌てて足を引っ込めました。
見ると、とても背が高く、私は、亮より年上だと思いました。
息子は、踏まれた手をさすりながら私に走り寄ってきて
「倫太郎君だよ。同じ幼稚園の同じクラスなんだ。」と
教えてくれました。
年長になって転入してきたのです。

それが、倫太郎君との出会いです。

私は、息子に
「大丈夫?何して遊んでたの?どうして手を踏まれてたの?」
なにかのごっこ遊びをしていたのか、息子は
遊具に寝そべって、手を倫太郎君に差し伸べるようにしていました。
その手を、立った姿勢だった倫太郎君が踏んでいたのです。
「おしゃべりしてた。」息子は答えました。
「あなた、何かいやなこと言ったんじゃない?だから手を踏まれたんじゃない?」
息子は
「そうなのかな・・・仮面ライダーごっこみたいにしてて、僕やられて倒れてたんだけど、踏まれてたの。攻撃だと思う。倫太郎君も仮面ライダーなんだよ。」
と、答えました。
「あなたも攻撃のとき、叩いたんじゃない?」そう思い、
息子が首を振るのをみるだけで満足しなかった私は、
念のため倫太郎君に尋ねました。
「倫太郎君、リョウに叩かれたりしてない?大丈夫?」
倫太郎君は首を横に振りました。
眉毛がしっかり上がって、口をすぼめています。
自分が被害をこうむっているかを尋ねられているので、
この表情は「しらばっくれている」のではなく、
被害が無いことを示しています。
息子は手を挙げてないのです。
「ごっこ遊びでも、本当に叩いたり、蹴ったり、踏んだりはやめとこうね。」
「また、うちにも遊びにおいでね。」
初めまして、だったので、私はこの時は、そのように言うにとどめました。

本当に、今思えば・・・なのですが
あまり良い出会い方を、どの子ともしていないなぁ、と思います。
この時私が、しっかり気づいていれば・・・
今の状態はなかったと思います。

息子とほかの子供のコミュニケーション方法や
倫理基準が違うのは
一重に息子には「キリスト教」という原理原則があり
また、どちらかと言うと、台湾式の育児をしているからなのであって
私があまり、うるさく言わなければ、
協調していけると思っていたのです。
私が神経質なだけで、これが日本の子供たちには普通なんだ
と、考えていたのです。

土台、きっと無理な話だったのでしょう。


入居してから、倫太郎君とは同じ幼稚園のお友達ということで
お付き合いが始まりましたが
逆に大河君とは疎遠に一年間過ごしました。
男子同学年が倫太郎君、大河君のほかにどれだけいるのかも、
よくわかりませんでした。
そんな、一年間でしたので
亮は倫太郎君と主に遊んで過ごすことになるのです。

息子と私のパームシティの悪夢
イジメにつながっていく不協和音は
こうやって、倫太郎君が、息子の手をふんづけて
始まったのです。

次のエピソード

2017年5月18日木曜日

登場人物

「パームシティの悪夢」登場人物
(すべて仮名)
<亮と同じ学年の子供たちとその母親>
〇角田家 パームシティ10階
 母親:角田恵美(すみためぐみ)
 息子:角田倫太郎(すみたりんたろう)
    亮とは同じ幼稚園。
    
〇国松家 パームシティ 9階
 母親:国松早苗(くにまつともえ)OL
 息子:国松瑛斗(くにまつえいと)
    亮と一年生で同じクラス。

    
〇本木家 パームシティ8階
 母親:本木美智子(もときみちこ)神戸元町にある高級料亭の女将。
 息子:本木雄二(もときゆうじ)
    棟方家と同じ階に住む。

〇小金家 パームシティ8階
 母親:小金綾音(こがねあやね)
 息子:小金大河(こがねたいが)
    棟方家と同じ階に住む。
    入居以前に
    新築マンションであるパームシティの
    入居者交流会で出会う
    一年生亮と同じクラス

〇大川家 パームシティ7階
 母親:大川由紀子(おおかわゆきこ)
 息子:大川翔太(おおかわしょうた)

後に上のメンバー全員がイジメや不当行為の加害者になる。

〇元山家 向かいのマンション住民
 息子:元山雄太(もとやまゆうた)
    亮と共に、パームシティの子供たちの暴言の犠牲になる。
〇斎藤家 向かいのマンション住民
 息子:斎藤永(さいとうえい)
    亮と倫太郎君と同じ幼稚園

<亮と同じ学年女子>
〇梨菜(リナ)

<東山吹小学校>
〇三谷将(みたにまさる)校長
〇鳥居朝子(とりいあさこ)一年生のとき亮の担任
〇近江康子(おおみやすこ)一年生のとき亮の隣のクラスの担任

    

2017年5月17日水曜日

執筆宣言

書きます

二年前から始まり、その後「いじめ」につながった
私たちのエピソードを順を追って、書くことにしました。

これは、少し横暴な言い方をしますが
私がまとめた、同じマンション内の同学年コミュニティの
結束力を
その私の息子を攻撃するために使っている、母親たち・・・
息子と私を除外した、マンションの同学年コミュニティの今の仲の良さは
他でもない、私がその初めのきっかけを作ったのです。

そして、学校・・・
本当に、学校教育は、こんなことではいけない!
少子化(私は少子化を問題にするのは愚の骨頂だと、思っています)
少子化だからこそ、教育の質は上がらなくてはいけないのです。

闇に潜む「餓鬼」を照らし出す。
神戸には陰湿な事件が多く発生しています。
私と息子が遭遇した事件を通して
その根本にある「闇」「鬼」に光を当て
本当に「イジメ」のない社会
いえ
「イジメ」と向き合い、赦しを見いだせる社会の
礎になってくれたら・・・
そう思います。

また、このイジメ事件の末、私は、
ある決心をするのですが、その決心にいたるまでの経緯を
記しておきたいと思います。

泣き寝入りしない。
そして、イジメに苦しむ子供たち、
そのお母さんたち・・・
「泣き寝入りするのはやめましょう。」
「一緒に闘いましょう。」

私たちが声を上げることが、
日本の教育(世界でも最悪水準)を
変えるきっかけを作るんです。

イジメをしている子供の母親も
目覚めなくてはいけないと思います。
イジメをしている子供たちも
大切な宝物なんです。

仮名で執筆します。
書くにあたって、登場人物関係者の名前を
・・・・


そのまま書くわけにもいきませんから、
仮名で書きます。
私は絵本作家でペンネームがありますし
息子は「英語ミュージカルYoutuber」リョリョ(Ryo)で
ブロキャしてますので、仮名ですが
顔は出してます。
私たちは、まがいなりにも「告発者」ですから、
それくらいのリスクは負うつもりです。

私は
棟方玲宇(むなかたれい)です。
 絵本作家で、英語と日本語で楽しむバイリンガル絵本や
 動画絵本を作っています。
 実は、人生の中で、絵が描けたことはありません。
 5か国語を話し、9か国語を翻訳・解析する
 いわゆる・・・マルチリンガルです。
 絵本を創作する傍ら、地域で
 「英語育児サークル」として、
 英語でミュージカルや英語寺子屋を開催しています。
 シングルマザーで、クリスチャンです。

息子は
棟方亮(むなかたりょう)です。
 2017年現在7歳 小学二年生です。
 クリスチャン。
 Youtube番組に取り組んでいます。
 英語を学んでいる姿や、
 生活で英語に親しんでいる姿を、
 番組にしています。
 堂々と歩んでほしくて、Youtubeを積極的に
 するように促しました。


Youtube のリョウ

そのほかの登場人物について・・・
文章の中で「A君」「B君」と出てくると
それだけでややこしくなります。
なので、それぞれ仮名をつけることにします。
登場人物

2017年5月16日火曜日

人を尊重することを、好き嫌いで左右しない子供=光の子供

嫌いな女の子

息子には、大嫌いな女の子がいます。
とにかく、嫌いなのです。
仮に、Rちゃんとしましょう。

一年生の夏ごろのある日、
息子が暗い顔で言いました。
「Rちゃんに謝りたい。」
教室の通路に膝をついて座っていたRちゃん。
「邪魔っ!」と息子はイラっと感じ
わざと、Rちゃんのふくらはぎを踏みつけたのです。

リョウの悪意。そして決心

息子はそのことを悔いて
自分から謝りたいと言ってきたのです。

Rちゃんは、息子の故意に気づいていませんでしたが
息子に謝らせました。
私も謝りました。

その親子とは無事に和解できました。

以来、息子はRちゃんを守ると決心したのです。
大嫌いだけど・・・・

ある日、同じマンションの同学年男子数名に
Rちゃんがキツイことを言われました。
よってたかって・・・Rちゃんはたった一人・・・
息子はRちゃんの手を引いて、
「ほっておいて、帰ろう。」
と逃げたそうです。

嫌うのは勝手。でも・・・
私は息子が幼い時から、言い聞かせています。
「嫌いという『思い』は勝手だよ。
勝手にわいてくるもの。
だから仕方ない。
でも、小さいうちは、嫌いだと決めつけずに
好きなところを見つけていこう。
そうやって、大きくなって
それでも『嫌い』と思ったら・・
離れればいい。
相手に何か言ったり
したり、
そんなことは、しなくてもいい。
ただひたすら、その子から
遠くに居ればいい。」

息子は、そのこともしっかりと、理解していたのでしょう。

人を尊重することを、
好き嫌いで左右しない・・・
大切なことだと思います。
7歳の子供が?!と、いろんな人に言われました。
欧米や、台湾の子供ならば、5歳児でもそれくらいのことは、
心に覚えて、行動に反映させています。




人は知らなくても。
知ってくれている存在を信じて。
人知れず・・・息子は光の子供として、
歩みを進めています。

Rちゃんのお母さんも知りません。
先日、Rちゃんのお母さんは、
まさに、Rちゃんを言い詰めた子供たちのお母さんと
仲良さそうに話していました。
これらの子供たちは、息子をイジメた子供たちで
彼らの母親も、息子に(7歳の息子に対して!)理不尽な嫌がらせを
続けていた母親たちです。

私は一瞬、悔しく思いました。
でも、それは間違っているとすぐに思いました。
息子が「光の子供」として歩んでいけること・・・
それを喜ばなくては!

でも、少しだけ、
物書きである私に許された特権をつかって
自慢させてください・・・

「うちのこ!エラいっ!!!」

そんなリョリョ
イジメの被害を受けながらも
自尊心を大切にしています。
リョリョの光輝く姿を、見てやってください!
人知れず、頑張っている息子を応援してやってください。
https://youtu.be/01ib_HlRoQs


2017年5月6日土曜日

Dragon Den Dera and Two Right Hands



A Mo-Book for children.  Discover the mystery of Chinese letters.

On Youtube.

Free of charge (of course) to watch.

Ryo Discovers the World 最終回 五妃街と神農街

Rei and Ryo's Taiwan review, the last chapter. 一ヶ月に渡ってお送りした、台湾シリーズの最終回です。