2016年6月20日月曜日

「夜の訪問者」徹底解明! vol.1 ~真実は夜、私を来訪した

書きます
「夜の訪問者」とはJ.B. プリースリー作の戯曲で、原題を"An Inspector Calls" ~ある刑事の来訪~と言います。先日BBCで放送された映像化ドラマによってはじめてこの作品をビジュアルで体感した、ムナカタですが、衝撃的でした。
心臓にバズーカ砲でドッキューンされたカンジでした。

まず、最初に、英国の俳優の力をまざまざと見せつけられたことを、お伝えしたいです。
目線、セリフの抑揚。。。こういうシンプルな構成を持つ作品では、こんなにも役者の能力が如実に問われるものかと感じ入りました。

そして、これは「神」のメッセージだと思い、この作品を徹底解明することを思い立ちました。

ムナカタはいま、小学一年生(2016年現在)の男の子を育てています。
子育て、教育の現場は、哲学者にとって「煉獄」です。
私はしょせん、な~んちゃって哲学者で、タオイストとよばれるのがおこがましく、「タオラー・ママ」と自称しているぐらいですから、煉獄ではなく「砂漠」程度でしょうか。
とにかく、砂漠をさまよう、タオラー・ママたるムナカタにとって、この作品は、いじめがはびこり、子供たちが互いの命を奪う事件すら起きてしまった日本の子育ての現場にあてはめ、砂漠で拾った「コンパス」のようなものに思えました。

とにかく、この砂漠において、「敵」が何なのかをはっきり見た気がしたのです。

だから、物書きとして、母として、
書こうと思います。
私の作風から、このブログにこのドラマのスタイルがそぐわないように思われるかもしれないのですが、それでも、このサスペンスについて書かねばならないと感じるのです。

まずは、この作品の「攻撃力」を実感していただくために、作品の背景やあらすじを書きます。

1.バーニング家の祝宴
1912年4月(第一次世界大戦の二年前)イギリスのブラムリーに住む、中上階級の一家、バーニング家では、一家の長女シーラと、バーニングのライバル会社の御曹司、ジェラルド・クラフトが婚約したため、家族だけでお祝いのディナーを催していた。バーニング氏は、家柄こそ良くないが、織物工業で財産を築き、名門の出で、特権意識の強いシビルを妻にしていた。夫人との結婚に際しては、財産はあっても称号がないため、夫人の実家からは白い目で見られていたバーニング氏であるが、このたび、王室より「ナイト」の称号を戴くこととなったのだ。ライバル社の御曹司と娘の婚約で、競合ではなく、利益共有の道も開け、まさに、世の春を満喫していた。
 ディナーは、バーニング夫妻、長女のシーラとその婚約者のジェラルド・クラフト、そして、シーラの弟で、最近、父親の会社で働きだしたエリックの5人で和やかに行われた。
ディナーの終盤に、コーヒーを飲むため、食堂から今へ移動しようとすると、メイドの一人が、バーニング氏に
「刑事が来ています。"An inspector calls"」と、静かに"グール"~Goole刑事の来訪を告げた。女性二人はそのまま居間へ退き、その場には男たちだけが残った。
 食堂に通されたグール刑事は、長身に黒いコートの地味な外見の男で、物静かだが鋭い眼光で男三人を見回すと、自分は新任の刑事だと言い、来訪の理由を告げた。

 「3時間前、ある女性が自殺しました。」

 その死因についてたずねるため、自分はここに来たのだと・・・。



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